鳥喰ひよこのメモ帳

自我復元、宇宙全史、ひらめき、その他。

宣言 ~ネガティブな形質を解消する~

目次

 


 

【はじめに ~宣言と自我復元~】

 

この記事では、わだかまりやこだわりの解消、さらにトラウマにも有効な「宣言」という手法を紹介します。この方法は、自我復元を進める過程で活用できるようになりました。自我復元の進捗が十分でない場合でも、いくらかは機能するかもしれません。ですが、限定的な成果しか得られない可能性があります。

 

この手法はあまりにシンプルで容易ですが結果ははっきりとあらわれます。しかし、実効性のある手法として一般に認知されているわけではなさそうです。その理由は、自我復元の進捗が十分でない場合、こちらの手法を試してみても成果が得られにくいためであると推測しています。

 

手法の作用メカニズムについて、仮説のようなものは考えてはいるのですが、まだ説明するには不十分な状態ですので、今回は用法と効果についておおまかに解説したいと思います。

 

【おことわり】

 

この手法はおそらくすでに流通している手法であり、それをいくらか掘り下げたものです。実験的でありいまだ検証が十分ではありませんが、有効性は高いと判断して紹介しています。どうしても個人では、調査のできる範囲と検証のできる項目の数が限られてしまうので、不完全な内容となってしまっています。そのため、できれば多くのひとに確かめていただいた方がよいと考えています。もし興味がわいたら試してみてください。

 

【宣言の目的】

 

まずはじめに、この手法を活用することで達成される効用についてまとめます。ただし、わたしが主に下記の用途で活用しているだけで、これだけにはとどまらないかもしれません。

 

・わだかまりやこだわりの解消

・トラウマの解消・調整

・ネガティブな形質の解消・調整

 

ここでは、3つ目に「形質」という聞き慣れない用語を追加しています。「形質」は、「宇宙全史」という本で言及されている概念です。これは、この世界で認識できる個体の生き死にという単位ではなくて、「魂」レベルで受け継いでいるような、その人の傾向のようなものを示しています。形質は、ポジティブなものもあればネガティブなものがあるように思われます。ここでは、「形質」のなかでもネガティブな傾向に着目します。「ネガティブな形質の解消・調整」は、「宇宙全史」という本をベースにした考え方をわたしなりに解釈し、敷衍したものです。

 

【宣言の特徴】

 

なんらかの問題解決にとりくむ場合、まず何が問題であるかに気付いて、次にそれを解消しようと試みることがあります。この手法は後半の「解消しようとする」プロセスにあてはまります。何が問題であるか気づくプロセスには触れていません。逆に言うと、この手法では何が問題であるかに気付いていないと解決はできません。ただし、基本的には上に述べたとおりなのですが、ぼんやりしたイメージでも的を外していなければ、有効に作用します。しかし、ポイントを絞りすぎるとうまく働かないことがあり、ポイントは外さずにかなりあいまいな表現で実践して、それで有効に働く場合があります。

 

【宣言が必要な理由】

 

われわれが抱える精神的な悩みのような内面の問題は、何となく解消したいと思うだけでは解決にはつながらないことがほとんどのようです。どうやら内面の問題は、自分の意志ではっきりと指令を送らなければうまく処理のされないという一面があるようです。そこで、解決案を明確に選択することによって、問題を解消できるようにするのがこの手法を用いる理由となります。「選択」というとたいへん些細で日常的なことに思われますが、適切になされた場合、さまざまな場面で効果的にはたらくようです。

 

【手法の説明】

この手法は、おおまかに2つの部分で構成されています。( i )<問題解決のためのフレーズを作成し>、( ii )<それを実際に唱える>という( i )と( ii )でなりたっています。( i )のフレーズの作成が手法の根幹をなす部分になります。つまり、この手法が成果を挙げるかどうかは、( i )のフレーズの作成がうまくいくかにかかっています。いっぽうの( ii )はただ唱えるだけのものなのでとくにむずかしい箇所はありません。ただし、期待したような効果がみられない場合は、その都度( i )に戻ってフレーズの内容をみなおし、ふたたび( ii )を試してみてください。

 

-フレーズはどのように作用するか-

 

フレーズが機能するための非常にシンプルな仮説を提案します。これは、あくまでも便宜的な説明であり、より包括的でもっともらしく、説得力のある仮説があればそちらに説明は置き換わるでしょう。下記は、現象をスムーズに解釈するために仮定したものです。

 

この手法では、内面の悩みを解決するために明確に文章化されたメッセージを指令として自分自身に送り届けます。ここで、われわれの意識の一部分に「無自覚な意識領域」というものを仮定します。「無自覚な意識領域」が指令としてのメッセージを受け取り、解釈してわれわれの身体の必要な部分に具体的な命令を返します。

 

なぜ「無自覚な意識領域」を仮定しているのかというと、かなりおおまかな内容のメッセージを指令として送っても適切な結果を返してくれることが多いからです。これこれこうしてください、と事細かな指令をメッセージとして伝えている訳ではありません。

 

-フレーズの作成上のコツ-

 

フレーズの内容は、適切に設定する必要があります。多少おかしくても害にはならないと思いますが、的をはずした内容であると効果は期待できません。フレーズをうまく作ることさえできれば、ほとんど重要な作業は完了していると言えます。

 

じつをいうと、適切なフレーズを導き出すための公式のようなものを提示することはできません。【宣言の特徴】で述べたように、この手法は問題の解決策を見つけだすわけではなく、ただ問題の解決策を実践するだけだからです。また、わたしにとって有効なフレーズがあったとしても、それが誰にとってもうまく機能するかは分かりません。個別のケースでは、このあとに紹介する方法などで、そのフレーズがご自身にあっているかどうかをチェックしてください。

 

多くの場合、わたしはフレーズの着想を直感を頼りにして導きだしています。そこで、問題解決のキーとなりそうなものを文章化します。自分自身が主体となって選択を選びとる感じでフレーズをととのえていきます。コツは、「…を…します」のように断定してしまうことです。そして、身体の感覚を参考にして適切なフレーズかどうかを判定しています。試しに唱えてみて身体に心地よい感覚が返ってこれば、適切なフレーズである可能性が高いです。かならずしも口に出さずとも頭のなかでゆっくりとフレーズを黙唱(もくしょう)するだけでもよいでしょう。   

 

フレーズを実践してみると効果のあらわれないものもいくらかでてきますので、効果を観察しながらいろいろなフレーズを試してみてください。

 

-「選択」について-

 

「…します」というメッセージを自分自身に送ることは、ふだん選択していない意図を意識的に選択するということです。また、能動的な行為として選択肢を明確に選びとるということです。選択できないもの(変えることのできないもの)についてメッセージを送ったとしても効果は期待できないと思われます。

 

生活をしていくなかでの自分自身にたいして望みをいだく場合があります。たとえば、「…(という状態)になりたい」や「(自分の気持ちを無視してアタマだけで判断した)…したい」、「…しなければ」などです。これらを振り返ってみると、もともと自分とは相容れない性質や状態を自分自身にたいして要求してしまっていることは、往々にしてあります。しかし、自分のもともとの性質でないものを選択しようとしても、それは可能でないことは明らかです。選択できることとできないことのみきわめは、重要なポイントとなります。ふだんから自分自身の性質について理解を深めておくことが、この手法ではとても助けになります。

 

また、なにを選択するかについては、「意思によりいったいどこまでのことがらを選択できるかという問題」と関わってきます。これついては、一般的に解答が得られている内容であるとはいいがたいです。そのため、あまりこの点については深入りせず、実際にわたしの活用しているフレーズを紹介する程度にとどめます。効果の感じられた例をいくつか挙げます。もし気に入ったら、ぜひご自身でいろいろなフレーズを試してみてください。

 

【実践例をご覧いただく際のおことわり】

 

フレーズの効果が確認できるのは、4、5日程度かかるのですがこのペースでもひと月あたり確実に検証できるフレーズは2個、多くて3個くらいです。できればもっとたくさん紹介したいのですが、個人で検証するにはどうしても時間がかかってしまいます。そのため参考にしていただくための実践例の数が、現時点では不足しています。しかしながら、なるべく早い段階で皆さんにお伝えしたいという気持ちがありましたので、不充分ですが紹介させていただくことにいたしました。どうかあらかじめご了承いただければと思います。

 

「許します」では実際の固有名詞をあてはめるケースがおおいので実践例の紹介は少なめです。ただし、固有名詞だけを用いてもかなりのトラウマをカバーができますし、応用もそれほどむずかしくはありません。また、全般にわたって「形質」を解消するためのフレーズが多くなっています。あくまでわたしの「形質」を扱っているのでそのままは使えないと思いますが、ご自身で「形質」対策をされる際のヒントにしていただければと思います。

 

【汎用的に活用できるフレーズ】

 

わたしのおすすめする汎用的なフレーズは、下記の3つです。

 

  • 「…を許します」
  • 「…を克服します」
  • 「…を解決します(解消します)」

 

「…を受け容れます」という汎用フレーズも試しているのですが、効果が判然としないので今回は除外しています。今後も効果的なフレーズの調査を続行していきますが、はっきりと効果のみられる上記の3つを用いられることをおすすめします。

 

汎用フレーズを活用するメリットは、直感にたよる部分を極力減らして手軽に問題解決にアプローチできる点にあります。たとえば、効果を確認するのに何十日もかかるというものでもないので(効果がでてくるのがわたしの場合で4、5日程度)、効果があまり感じられない場合であってもちょっとずつフレーズを調整することができます。とくに固有名詞を用いた「許します」はかんたんですので、トラウマやわだかまりに手軽にとりくめるでしょう。

 

-「許します」-

 

「許します」を Self Administered EMDR と同様に主要なトラウマ解消メソッドとしてわたしは、活用しています。「許します」は、ご自身でわだかまりやこだわりがあり悩まされていることであれば、何でも対応可能だと思います。許すことは、われわれにとって最終兵器ようなものです。どのような絶望的な状況であっても、この選択肢だけはわれわれに残されているようです。(ですが、結局はなにも「許すこと」などないのかもしれません。)

 

自我復元の記録(D)~(G)【Self Administered EMDR

https://ducunt-volentem-fata.hatenablog.jp/entry/2021/12/28/%E8%87%AA%E6%88%91%E5%BE%A9%E5%85%83%E3%81%AE%E8%A8%98%E9%8C%B2%EF%BC%88%EF%BC%A4%EF%BC%89%EF%BD%9E%EF%BC%88%EF%BC%A7%EF%BC%89#Self-Administered-EMDR

 

「許します」は、特に有害な因子となるとは考えにくいため、特定の固有名詞や団体名など入れてしまって問題ないと思われます。また、自分の好きでないテレビ番組の名前やニガテな有名人の名前などでも大丈夫です。固有名詞を目的語とした「許します」は、直感がほとんど必要ないのでとりくみやすいと思います。

 

 

  • 宣言「(個人の固有名詞)さんを許します」
  • 宣言「(会社、法人などの固有名詞)を許します」

 

下記に、それ以外のわたしが用いている「許します」を紹介します。今回、紹介した「許します」は、わたしが実際にかかえていた「形質」の調整に用いたものが多いです。ほとんどの方は、意味がよく分からないと思いますが、これらのフレーズに心当たりのある方のヒントになればと思います。

 

 

  • 宣言「あらゆる現れを許します」
  • 宣言「すべての無意味性を許します」(形質)
  • 宣言「わたしは、この世界のあらゆる、いびつさ、歪みを許します」(形質)
  • 宣言「わたしは、この宇宙を創ったヤツを許します」(笑)(形質)

 

ー「克服します」ー

 

「…を克服します」は、形質の調整によく働きます。形質の調整・解消には、下記の汎用フレーズが有効です。

 

 

宣言「…という形質を克服します」

 

 

「形質」という考え方については、「人はみな同じ」という考え方だけがベースにあると受け入れにくいかもしれません。「人はみな同じ」という考え方だけがベースにある世界観では、「形質」という概念は必要ありません。なぜなら、「人はみな同じ」は誰もがまったく同じ人生の前提条件を共有していると述べるのとあまり変わりがないからです。

 

その考え方だけでうまくやっていける場合は問題ないでしょう。しかし、なんらかの壁にぶち当たっていままでの考え方では世界をとらえることが困難となった場合、違った側面から見てみることでいままでより大きな視野でものごとが眺められるようになり、気持ちが楽になることがあります。「人はみな同じ」に異論はありませんが、同時に「人はみな異なる」も同時に成立しているのがこの世界のありようであるように思われます。

 

この社会には、いろいろな種族の人間がすんでいて、もともとさまざまな特性を持った「ナントカ星人」が、同じ人間社会で生活していると考えてみてください。それぞれの種族がそれぞれのルーツをもっており、ポジティブな面もあるのでしょうが、ネガティブな特色をそれぞれ持っていて、それを現在の生まで引き継いでいると考えると分かりやすいです。こんな空気感は好みだが、あんな空気感は嫌いだといった好みの違いもあります。みなそれぞれ「傾向」というものがあって、特定の面では優れているが、一方の面にはからっきし向かないという部分もあるのです。それらは、おのおのの「性質」に過ぎないのであって、「性質」に良し悪しがある訳ではありません。

 

しかしながら、なかには自分自身を苦しめてしまうようなネガティブな「性質」があります。それをここでは、ネガティブな「形質」と呼んでいます。自分が基本的にイヤではない「形質」は放っておいてもいいとは思いますが、「形質」があることによって自分自身が苦しんでいると気がついたとき、その解消・調整を試みることは意義のあることに感じられます。

 

「…という形質を克服します」のフレーズで大事なのは、なにが自分自身のネガティブな形質であるのかをみきわめる直感力です。これがもっとも肝心なポイントです。みきわめさえできれば、それを解消できると思います。下記は、あくまでわたし自身の形質調整の実践例です。それぞれ調整の必要な形質は違いますので、ぜひ皆さん自身のネガティブな形質発見に挑戦してみてください。

 

  • 宣言「…しても仕方がないという形質を克服します」(形質)
  • 宣言「『もうなにもしたくない』という形質を克服します」(形質)
  • 宣言「『この世界は嫌だ』という形質を克服します」(形質)
  • 宣言「『もう生きたくない』という形質を克服します」(形質)
  • 宣言「『結局何も変わらなかった』という形質を克服します」(形質)

 

-「解決します(解消します)」-

 

「…を解決します(解消します)」は、因果関係や作用メカニズムの不明な問題に効果的です。また、「…を克服します」と同様に形質の調整にも有効です。

 

「…を解決します(解消します)」は、そのまま解決のための解釈と処理を「無自覚の意識領域」に受け渡します。このフレーズは、かなりざっくりした内容であっても、効果がでやすいようです。今回紹介できる例は少ないですが下記のとおりです。

 

  • 宣言「お金に対するこだわりを解消します」
  • 宣言「破滅思考を解決します」(形質)
  • 宣言「不幸になりたい魂を解決します」(形質)

 

「お金に対するこだわりを解決します」の宣言は、つぎのような問題の対処に用いました。わたしは、いつも経済的に余裕のない状態であったので、スーパーで何を買うかなかなか決められず、毎回もやもやした葛藤に悩まされていました。食べ物にたいしてたくさんのお金を費やすことに、ためらいがあったということです。しかし、宣言を用いることで葛藤は軽減され、以前よりスムーズにレジに向かえるようになりました。

 

これは、問題が生ずるメカニズムの要因をはっきりと特定しなくとも、それを解決するという意思表示を行うだけで、自分のなかの障害がとりはらわれる例です。問題となるメカニズムの要因を特定しようとすればするほど、誤った解釈をしてしまうリスクは増してしまいます。ここでは、そういったメカニズム特定にともなうリスクを回避して、「無自覚の意識領域」にその解釈と問題解決をゆだねてしまいます。

 

【その他のフレーズ】

 

汎用フレーズ以外では、直感により独自の宣言をねりあげる必要があります。効果がみられなくとも、修正をくわえながら何度でも試すことができます。何か、「ハッ」、とするインスピレーションがわいたときなどに文章のかたちにフレーズをととのえて唱えてみてください。

 

 

  • 宣言「決して人と比較しません」
  • 宣言「わたし自身を愛します」(自己愛)
  • 宣言「わたしは愛されています」(安心感)
  • 宣言「破滅思考を拭い去ります」(形質)
  • 宣言「世界に対する恨み、憎しみを癒やします」(形質)

 

【実践と効果の確認】

 

フレーズが決まったら、おちついて唱えられる場所と時間をえらんで、ゆっくりと身体に沁みわたるように10回程度唱えます。この記事で、フレーズの左に書いてある「宣言(せんげん)」という言葉は無視していただいてかまいません。左の「宣言」という文字は、あくまで見分けやすいように記してあるだけです。

 

わたしの場合は、「世界平和の祈り」を現在20回くらい唱えるのですがその前後に10回ずつ「宣言」のフレーズを唱えています。ですから、1日に計20回唱えているということになります。

 

効果については、わたしの場合は4、5日程度であらわれます。身体の反応にかかわるフレーズなど、唱えてすぐさま変化が感じられるものもあります。またフレーズの内容が的確であるほどすぐに効果があらわれます。

 

下の図は、わたしの「宣言」の実践例です。

図1 宣言の実践例

 

  • 「世界平和の祈り(自我復元向け改良版)」については、こちらで解説しています。
  • 「ホ・オポノポノ真 改良版」については、次回の記事で解説する予定です。
  • 「求聞持法」については、次回の記事で解説する予定です。

 

また、毎日落ち着いた時間に実践する以外にも、ちょっと思い出したときに小声で唱えたり、黙唱してみたりというのもよいでしょう。

 

【前提条件についての確認(2点)】

 

さいごにこの手法を活用するための2つの前提条件について確認します。

 

・自我復元がある程度進んでいる。

・適切なフレーズを設定できている。

 

あくまでこの手法は、自我復元がある程度進んでいる方を想定しています。繰り返しになりますが、重要なので上のようにまとめさせていただきました。